CVS - はじめに

• はじめに
• CVS リポジトリの設定
• クライアント側の設定
• クライアント上のユーザの設定
• サーバ側の設定
• サーバ上のユーザ・アカウントの設定
• CVSを使う
• ファイルをインポートする
• チェックアウトする
• 日々の作業の流れの例（$CLIENT_WORK_DIR ディレクトリにて）
• 参考

はじめに

CVS は，バージョン管理システムの一つです．このページは，CVS の簡単な使い方について記したメモです．

CVS リポジトリの設定

まずはじめにやることは，ファイルの貯蔵庫であるリポジトリを，サーバとなるマシン上に作成することです．

サーバのホスト名を，cvs-server，FQDN を cvs-server.jp としておきます．

# apt-get install cvs　　　　　　# ← これはDebian Linux の場合．
# export CVSROOT=/home/cvs
# cvs init
# chmod a+w  /home/cvs/CVSROOT/history  # あまりよくないが，エラーが出るので仕方ない
# mkdir -p /home/cvs/dir1/module1 
# chmod a+w  /home/cvs/dir1/module1
# chgrp mod1grp /home/cvs/dir1/module1　　# mod1grp グループのユーザが使う

これで，/home/cvs にリポジトリが作成され，サブディレクトリ 'dir1' の下に モジュール 'module1' ができました．このモジュールは，mod1grp グループのユーザによって利用されます．

クライアント側の設定

CVSを，リモートのクライアント上のユーザから利用することを考えます．クライアントのホスト名は cvs-client，FQDN を cvs-client.jp としておきます．mod1grp のユーザアカウント cvsuser1 から利用するものとします．通信プロトコルには ssh を使用します．

クライアント上のユーザの設定

• .bashrc などに書くもの．

export CVSROOT=:ext:cvs-server.jp:/home/cvs
export CVS_RSH=ssh
export EDITOR=vi

• $HOME/.cvsrc に書くもの

cvs -q
diff -u
up -dP

• その他
• 一度，ssh cvs-server.jp しておき，.ssh/known_hosts にローカルホストの情報を入れておく

サーバ側の設定

サーバ上のユーザ・アカウントの設定

CVSファイルを共有するため，作成するファイルには必ずグループ書き込み権限をつけておく必要があります．

$HOME/.bash_profile （bash の場合）において，

umask 002 

としておきます．

CVSを使う

ここまで設定すると，ようやくCVSを使うことができます．

ファイルをインポートする

最初は，モジュールの中身は空なので，クライアントからインポートします． インポートしたいファイルのあるディレクトリを，$CLIENT_WORK_DIR とします．

$ cd $CLIENT_WORK_DIR
$ cvs import -m 'initial' dir1/module1 semblog_org initial

チェックアウトする

インポートしたら，チェックアウトします．チェックアウト先のディレクトリが，今後の作業ディレクトリとなります．なお，インポートに使用したディレクトリは，そのまま使えないので退避します．

$ cd $CLIENT_WORK_DIR/../
$ mv -f $CLIENT_WORK_DIR ${CLIENT_WORK_DIR}_old  # とりあえず，名前を変えておく
$ mkdir $CLIENT_WORK_DIR　　　　　# 新しく，作業用ディレクトリを用意
$ cvs co -d $CLIENT_WORK_DIR dir1/module1  # 作業ディレクトリにチェックアウト

作業ディレクトリの下のすべてのディレクトリに，CVS/ というディレクトリができているはずです．

日々の作業の流れの例（$CLIENT_WORK_DIR ディレクトリにて）

$ cvs up                    # ← 重要．作業前には，必ずこれをする．
                            # ローカルの作業領域が最新に保たれる
     
$ vi file1                  # 何らかの作業
$ cvs add file_new          # 新しいファイルを追加
$ cvs ci -m 'コメント'      # 編集や追加をリポジトリに反映

$ vi file_new               # 何らかの作業
$ cvs remove file_new       # でも，いらなくなったので削除
$ cvs ci -m 'コメント'      # 削除をリポジトリに反映

$ cvs log -h　　　　　　　　# 気になったのでログを見てみる

$ vi file2                  # 何らかの作業
$ cvs diff                  # リポジトリとの差分を見る
$ cvs ci -m 'コメント'      # リポジトリにチェックイン

参考

• CVSを使ってみよう
• バージョン管理システムCVSを使う
• CVS(Japanese)